桜貝のように

先日魚屋さんでハマグリをみかけました。それまで気に留めたことがなかったのですが、ハマグリは漢字で「蛤」と書くようなんです。
魚じゃなく虫と書くのね!そう思うのと同時に注目したのは、虫へんの隣が「合」だということ。昔読んだ歴史小説で、幼い姫が貝合わせという遊びをしていたことを思い出しました。

ハマグリの二枚の貝殻をはずしてしまうと、他の貝殻とピタリと合うことはないことから、昔の高貴な人たちは貝の内側に物語の艶やかな絵や和歌を入れて、神経衰弱のように使っていました。
昔の人たちは貝に個体差があることに注目し、その色や形を愛で更に装飾し、さらに遊びに昇華していたのですね。

現代に置き換えると、ネイルアートに通じるものがあるように思えます。ネイルで今の気分だったり物語を演出できると思うからです。
そういう演出もいいと思いつつ、まずは欠けないように、元々の色味を引き出せるようにお手入れしたいなぁと思うのです。
そう、桜貝のように。

桜貝も貝合わせという雅な遊びに使われますが、華美な装飾はなくそのまま使われているようです。

あなたはどちらがお好みですか?

記事/月野みちえ

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