子供の頃何を美しいと感じていたか覚えていますか?
わたしは母の留守にアクセサリーをこっそりながめることもありましたが、一番気に入っていたのは、ミロの空き瓶ジャラジャラ入っていたストックのボタンたちでした。
4つ穴のもの、2つ穴のもの。飾りボタン。小さくて色とりどりで、よくながめて遊んだものです。
そんな幼少期に気づいたことがあります。
それは自分の指が美しいということ。
指は家族を表していますが、なかでも一番小さい赤ちゃん指がわたしのお気に入りでした。小指は他と比べて弱々しいけれど、先端についている爪が一生懸命背伸びをするように長く、その形が美しいなと感じて自慢に思っていたのです。
誰に教えられるでもなく、自分の体の一部分を好きと思えたなんて幸せな幼少期ですよね。
今は指に対する思いも変化し「形」だけではなく「役割」に注目するようになりました。わたしの指は働く指で、ものをつくったり、掴んだりするものになりました。飾っておくものではなく、いつも装備している頼もしい相棒と言った感じです。
相棒だから自然とねぎらいの気持ちがわいてきますね。
記事/月野みちえ